伸びるスマホ。使うべき動画メディアは「YouTube」で全部正解なのか?――動画広告に「本気で取り組む」人のためのコラム vol.2

酒井英典

株式会社サイバーエージェントオンラインビデオ総研 所長

オンラインビデオ総研・所長の酒井です。
本コラムはWEBで動画広告プロモーションに取り組みたい人、既に取り組んでいる人、をターゲットした業界人向けのコラムです。動画広告市場の「健全な発展」に寄与するための情報を提供します。いわゆる「プロ向け」の記事です。一般の方には専門的すぎる内容かもしれません。

毎回、テーマを一つに絞って書きます。週1本くらいのペースで進もうかと。 内容に対するご意見もぜひ頂戴したいです。よろしくお願い致します。

第2回目、今回のテーマは、こちらです。


伸びるスマホ。使うべき動画メディアは「YouTube」で全部正解なのか?


 

 スマホ動画広告面が増えている。まだまだ今年も増えていく

一昨年あたりは、まだまだ市場内の存在感が薄かったと記憶していますが、今となっては完全にメインストリーム。ご存知の通り、スマホ面は圧倒的な成長を見せています。

動画広告市場においても、スマホ面の伸びは顕著です。というか、動画広告面の成長が、スマホ広告市場の成長要因、と言った方が妥当ですね。App面トラッキング等、広告評価の面で課題はありますが、それでもPC面を圧倒的に凌駕するトラフィックが存在することは周知の事実です。

昨年から今年にかけて、主要メディアの動画広告対応が進んだことで、動画市場の裾野が広がりました。最近だとY!インフィード枠のロンチが目新しいですね。この流れは今年も続きそうです。
ユーザー目線で言うと、「ニュースサイト」や「記事面・ブログ面」でも、動画広告に出会うことが多くなりそうです。

FacebookやTwitterなど、インフィード系の動画広告面については、フォーマットの多様化が見られています。縦横比が1:1のスクエア枠や、複数の素材を配信できるカルーセル枠、そして縦型動画(タテフル)枠など、既存の縦横比ではない独自フォーマットによる多様化が進んでいます。
広告効果の最適化を考えると、これらのフォーマットへの対応はマストで対応していくべきでしょう。

動画広告メディアは「とりあえずYouTube」で全部正解なのか?だいたい正解ではあるが…

YouTubeはインストリーム系の動画広告面では、間違いなくNo1。プラットフォーム的にも、非常に裾野が広く、CMのような動画だけでなく、How To系の動画なども、格納できることは魅力です。

テレビCMのような「PUSH型」で、広く当てに行くWeb動画広告枠といえば、YouTubeのTrueView枠が第一候補。音声再生されている可能性も高く、ブランドリフト効果も高めです。
性別・年代やエリアのターゲティングも可能なので、ターゲットリーチ効率を高めることも可能です。ローテレ(テレビCMが当たりづらいユーザー)との相性も良いので、テレビCMのリーチ補完文脈でも有効です。

対して、Facebookはターゲティング精度が高いことが強み。誕生日情報を登録しているユーザーが多いこともあり、年齢のターゲティング精度は非常に高いです。YouTubeに比べてアクセス頻度が高いことも特徴です。特徴的なユーザーに、ピンポイントでフリークエンシーを重ねることも可能です。
前述しましたが、フォーマットが多いため、クリエイティブの大量生成や、複数広告を繋げたシナリオ的な配信なども効果的です。

Twitterはサイコグラフィックや瞬間的な話題(マイクロモーメント)との相性が良いです。性年代のターゲティングには課題がありますが、例えば「応援しているチーム」や「好きなアーティスト」など、他のSNSでは捉えづらいターゲティングに強みがあります。

見落としがちですが、ハイテレ(テレビCMが当たりやすいユーザー)と相性が良いのがInstagramです。「テレビCMで話題の」や「タレント広告」などの訴求が効果的です。テレビCMで認知は取れているので、より深い理解を訴求するのが良いでしょう。

その他、LINEやYAHOO!も広告面の動画対応が増えています。AbemaTVやTVerについても、今後の伸びに期待です。

(図表:各メディアの利用状況の比較図 *MM調査)

※図表PDFのダウンロードはこちら

単一メディアでテレビCMの完全代替は難しい。メディアの組み合わせで対応。

冷静に考えて、Webメディア「単一」でのテレビCM完全代替は、かなり難しいと考えています。YouTube単体でもミドル級のサイズには育っていますが、これだけやっておけば大丈夫、というレベルでは無いと感じています。

ただし、Webメディアを組み合わせて使えば、ターゲット世代によってはテレビCMよりも低コストでの訴求は可能だと思われます。
今後、事例が増えていくことによって、ターゲット年代が狭い商品群については、Webメディアを組み合わせた訴求で、テレビCMの代替へと進んでいくことになるかなと考えています。

内容サマリ

・今やメインストリームの「スマホ」動画広告面は今年も増える見込み。

・YouTubeだけが正解ではない。動画広告面の特徴を理解しよう。

・WEB動画メディアを組み合わせれば、マスメディア級の訴求も。

 

次回もよろしくお願い致します。


  • 酒井英典 株式会社サイバーエージェントオンラインビデオ総研 所長

    博報堂でコピーライター兼CMプランナーとして、自動車や携帯電話キャリアのクリエイティブ制作を担当。その後、モバイル系の広告代理店、テレビCM枠の買い付けを含むメディアプロデュースを経験。
    2013年にサイバーエージェントに入社。2015年10月よりオンラインビデオ総研を設立に伴い所長に就任。動画広告の新商品開発・運用・制作を幅広く担当。動画広告配信における新商品「ローテレ配信」「アジャイル型配信モデル」などを開発。 2016年よりデジタルハリウッド大学院・非常勤講師。