動画広告の最先端を走るLINE・Facebook・CyberBullが語る「スマホ時代の“ブランディング動画広告”の考え方」

テレビの視聴率が下がる一方、スマートフォンの普及率は上がっていく現代。これまでテレビに広告出稿してきた企業の中には、「そろそろモバイルへの広告配信も視野に入れなければ……」と考えているところも多いだろう。

しかしモバイル向けの動画広告は、従来のテレビCMをそのまま流用すれば良いわけではなく、モバイルに特化させたクリエイティブが必要になる。

そのクリエイティブ制作の具体的なノウハウを提示するため、8月8日に「スマホ時代の”ブランディング動画広告”の考え方」をテーマに株式会社CyberBull、LINE株式会社、フェイスブック ジャパンの3社により合同セミナーが開催された。

各社の過去事例から見えてきた、動画広告クリエイティブのポイントとは何か。メディアの特性に合わせて試行錯誤をくり返してきた3社の見解について、レポートをお送りする。

【講演アジェンダ】
1.講演『スマホ時代のブランディング動画広告について』
スピーカー:LINE株式会社LINE Ads Platformビジネス推進室 池端由基氏

2.トークセッション『無視されない広告クリエイティブの工夫』
スピーカー:LINE株式会社プラットフォーム企画チーム 北出庫介氏
フェイスブック ジャパン Client Partner Manager 佐藤太泰氏
株式会社CyberBull営業統括 宮田崇平氏

1.『スマホ時代のブランディング動画広告について』


最初に登壇したのは、LINE株式会社LINE Ads Platformビジネス推進室の池端由基氏。近年のスマートフォン利用動向を踏まえ、ブランディング効果の高い動画広告クリエイティブのコツを紹介した。

LINE株式会社の調査によると、インターネットを利用する人のうち85%がスマートフォンを利用しており、スマートフォンは幅広い年代に普及している。


【LINE】〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2017年上期)

また、池端氏はコミュニケーションアプリの「ユーザー利用環境」を踏まえ、動画広告クリエイティブのコツについて、感情や趣味嗜好、利用シーンといった環境はユーザーによってバラバラ。だからこそ、ユーザーごとにパーソナライズした「ターゲティング」と「クリエイティブ制作」をすべきだと説明した。

さらに、1年前に開始した運用型広告サービス「LINE Ads Platform」を提供する中で見えてきた「モバイルクリエイティブ制作のポイント」として次の3つを提示した。


・「シンプル」・・・結論をはじめに伝え、シンプルに理解させる
・「無音」・・・音が出ない前提でコミュニケーションを設計する
・「スクリーン」・・・上下にスクロールされる縦型スクリーンの特徴を生かす

クリエイティブポイントの総括として、

① 細かく設定したターゲティング
② ターゲットに合わせたクリエイティブ

という2点をおさえつつ、「シンプル」「無音」「縦型スクリーン」という3つのポイントに沿った動画広告制作をすることが求められていくだろう、との見解を示し、第一部を締めくくった。

2.『無視されない広告クリエイティブの工夫』

セミナーの第二部「無視されない広告クリエイティブの工夫」では、LINE株式会社 北出庫介氏、Facebook Japan 佐藤太泰氏、株式会社CyberBull 宮田崇平氏の3名が講演を行った。

「ターゲットとクリエイティブのカテゴリー化」と「第三者の活用」の重要性


株式会社CyberBullで営業統括を務める宮田氏は、アメリカのAdweek media/Harris Interactiveが18歳以上の男女に実施した調査の結果を用い、「インターネットで広告を全く見ない」と回答した人が6割を超えていたことを紹介した。

そういった、そもそも「無視されやすい」インターネット広告においては「ターゲットとする消費者に対して広告効果を発揮するには、何かしらの工夫を施す必要がある」と話した。

工夫の具体例として、宮田氏が最初に紹介した動画広告クリエイティブのポイントは「Category to Category」だ。


「Category to Category」とは、細かくカテゴライズされたターゲットに応じて、各クリエイティブを制作すること。

「マスメディアのように統一された世界観の広告は、モバイルに適さない。年代別のインサイトやライフステージを加味したクリエイティブをそれぞれ用意することが重要だ」と説明した。

続いて宮田氏は、2つ目のクリエイティブのポイントとして「第三者をうまく利用すること」を挙げた。

その理由として「接する情報量が多い中、ユーザーは自分にとって必要な情報を取捨選択することがうまくなった」と解説。

その上で、「企業は伝えたい情報を一方的に流すのではなく、インフルエンサーや著名人など第三者を活用することユーザーの興味関心を惹くコンテンツ制作が求められている」と見解を述べた。

インフィード広告における動画広告クリエイティブのポイント


次に登壇したのは、フェイスブック ジャパンでClient Partner Managerを務める佐藤太泰氏。効果的な動画広告クリエイティブのポイントを紹介した。

まず佐藤氏は全世界におけるインターネット情報に占める動画の割合は2020年に80%に到達することを指摘。従って「如何にモバイルに最適化したクリエイティブを作るか?がモバイルにおける広告活動の成否を分ける」と述べた。

① 音が再生されないことを念頭におく
② 起承転結の「結」を先に見せる
③ 広告表現にあわせて縦横比を最適化する

モバイルに最適化した広告クリエイティブ、特にFacebook, Instagramのフィード上に流れる広告では上記3つのポイントが重要であると説明。特にフィード上ではスクロールしている親指が止まるかどうかは動画開始後の数秒間で決まると付け加えた。


続いて、佐藤氏は「Facebookのデータを活用すればより共感できるストーリーテリングが可能」と提示。
「Facebookでは実名での会員登録を促している点、ページLikeやコンテンツ閲覧の履歴など膨大なデータを蓄積しており、このデータを細かく分析することで、特定企業やブランドがアプローチしたい消費者のペルソナを確立することができる」と述べた。

更に佐藤氏は、確立したペルソナをクリエイティブ開発に生かすことでターゲット消費者に「刺さる」クリエイティブを開発することが重要であることを強調。更にFacebook, Instagramの95%を誇る高いターゲティング精度を活用すれば開発したクリエイティブを確実にターゲット消費者に届けることができる、と紹介。

「One to Oneマーケティング」で重要なのは、ユーザーの不安を考慮すること


最後に登壇したのはLINE株式会社のLINE Ads PlatformのProduct Managerを務める北出庫介氏。

「One to Oneコミュニケーション」に関して、北出氏は「顧客情報を活用したマーケティング手法であるからこそ、ユーザーが『情報を抜き取られたのではないか』という不安を与えないようにする配慮が必要である」ことを強調。

企業が「One to Oneマーケティング」を行う際には、ユーザーの心境まで配慮した「やりすぎないクリエイティブ」が重要であると説明した。

動画広告のスペシャリストに学び、効果的なクリエイティブを

今回のセミナーでは、各社の過去事例を多数使用したうえで、モバイルに特化した動画広告クリエイティブのノウハウが示された。

動画広告は今後ますます盛り上がっていくだろう。一方で、クリエイティブの最適解を発見できていない企業も多い。

数えきれないほどのトライアル&エラーを積み重ね、動画広告の効果について考えてきた3社の見解は、今後動画広告を取り入れたいと考えている企業にとって重要な指針となるだろう。