“親近感”のある動画広告が、マッチングサービスのイメージを変える--「タップル誕生」の動画戦略

左にスワイプして「いいかも!」、右にスワイプして「イマイチ」。そんな指先ひとつの動作だけで、気になる異性とつながることができるマッチングサービスが「タップル誕生」だ。

2014年のサービス開始以来から「恋愛したい」と願う20代男女の反響を呼び、なんと国内最多の累計マッチング数3,500万組を突破した。

ひと昔前までは「出会い系」と呼ばれ、悪いイメージが先行していたインターネット上の出会い。しかし近年のマッチングサービスは、若者が気軽に楽しめるものへと変化している。

今回はマッチングサービス「タップル誕生」を提供する株式会社マッチングエージェントの代表を務める合田武広氏と、株式会社CyberZのスマートデバイスアカウント事業部で戦略アカウント局マネージャーとして「タップル誕生」の動画広告に携わる侯 明昊氏にインタビューを実施。

これまでの「出会い系」というイメージを払拭し、マッチングアプリは“安心・安全”で“楽しい”というイメージを伝えていくためには、どのような動画広告が効果的なのだろうか。制作において重視していること、そして動画を使って目指していきたい未来について、話を伺った。

“婚活”ではなく、趣味でつながる“恋活”を。「タップル誕生」の魅力

--まずは「タップル誕生」のサービス内容や利用しているユーザーについて、合田さんにお伺いします。

合田:「タップル誕生」は、“趣味でつながる恋活サービス”をコンセプトにしたマッチングサービスです。

主なユーザーは、男女ともに20代前半〜半ばの若者で、他のマッチングアプリと比べて若いユーザーの割合が高い点が特徴ですね。

--「タップル誕生」はこれまでのマッチングサービスと比べて、どのような違いがあるのでしょうか。

合田:ユーザーが求めている、出会いの目的が異なります。

マッチングサービスといえば“結婚”を目的としているものが主流ですが、一方「タップル誕生」では、“カジュアルな出会い”を目的としてサービスを運営しています。

ユーザーの大半を占める20代前半〜半ばの若者は、「結婚相手が欲しい」というよりも、まずは「恋愛がしたい」と思っています。だからこそ、コンセプトも“婚活”ではなく“恋活”という言葉を使っているんです。

--「恋愛がしたい」と考えている若者に向けたマッチングアプリとして、「タップル誕生」ではどのような点を工夫されているのでしょうか。

合田: タップル誕生を通して相手と出会う感覚を、実際の恋愛感覚と変わらないものにしたいと考えています。

例えば初対面の人と実際に出会ったときって、共通の趣味があると仲良くなれたり、直感で「この人いいかも」と感じたりすることがありますよね。

そんな感覚と同じように、「タップル誕生」では自分が興味のある趣味カテゴリーを選び、その中から好みの異性をチョイスします。ジャッジは「いいかも!」「イマイチ」の二択。スマートフォンアプリの画面をスライドするだけで出来るので、直感で相手を選べるデザインになっています。

もしお互いが「いいかも!」を押せば、タップル誕生。そのあとは、メッセージでやりとりしていく流れになっています。

「共通の話題で仲良くなれる」「直感によって相手を選ぶ」という感覚は、実際の恋愛でも起きることですよね。その感覚を「タップル誕生」で体験できるように、アプリのデザインにこだわって制作しました。

--結婚相手を探すためのマッチングサービスが多い中、「タップル誕生」は“カジュアルな出会い”を目的としているのはなぜでしょうか。

合田:「結婚したい」という欲求を全面に押し出すことは、現代の若者における恋愛観にあってないのかな、と考えているからです。以前よりも、恋愛に積極的な若者が減っているのかもしれません。

もちろん今でも「出会いたい」という欲求は、彼らにもあると思います。しかし、+αの要素がないと、恥ずかしくてなかなか恋愛へと踏み込めないんですよね。

最近、街コンがさまざまなイベントと連携している企画が人気なのも、イベントが「楽しそう」という要素があるからこそ、参加できるのではないでしょうか。

--確かに、肉フェスとコラボした婚活パーティーがSNSで話題になっていました。「出会うため」よりも「楽しそうだから」という理由のほうが、参加するハードルはグッと下がる気がします。

合田:そうなんです。男性が女性にデートを誘う際も、ただ「デートをしよう」というよりも「映画のチケットがあるよ」とか「いいワインのお店を見つけたよ」とか、何か口実があるほうが行きやすいと思います。

恋愛に消極的な若者にとって「デートしたい」「恋愛したい」という欲求を全面に押し出した出会いよりも、徐々に仲良くなっていく出会いのほうが自然ではないかな、と考えたんです。

マッチングアプリ広告は、「親近感」を抱いてもらえることが重要

--次に侯さんにお伺いします。ひと昔前までは「出会い系」と聞くとちょっと危ないイメージとか、アダルトなイメージが強かったかと思います。ここまで利用者の層が若者まで広がった理由としては、どのような要因があげられると考えますか?

侯: Facebookなど実名登録制のSNSと連携したマッチングサービスや、大手企業が提供する24時間365日監視体制のマッチングサービスが出てきたからではないでしょうか。

「安心・安全です」っていうメッセージや口コミが広がって、少しずつ信頼されるようになってきたのかなと思います。

--「タップル誕生」は特に若い世代のユーザーが多いとのことですが、そのターゲットにサービスの良さを伝えるため、マーケティングにおいて力を入れていることはありますか?

侯:最近ではSNS上の動画広告ですね。

なぜなら、「動画広告のほうがCVRやエンゲージメント率が高くなる」という近年の傾向により、旧来のネットワークで静止画のみを回す市場よりも、動画系のネットワーク媒体やSNSの動画在庫が増えているからです。

広告効果のある動画広告を配信することで、マッチングサービスに対する「出会い系」というイメージを払拭し、「使ってみたい」と視聴者に思ってもらえることを目指しています。 

--視聴者のマッチングサービスに対するイメージを刷新し、興味を持たせるところまでを目的にしているんですね。短い動画広告でそこまで実現することは非常に難しそうに思えますが、どのような点に着目して制作しているのでしょうか。

侯:特に重視しているのは、「コンセプトに共感できるか」「自分ごと化できるか」という2点です。

マッチングサービスが「出会い系」と呼ばれていた頃は、“エロ”を打ち出した静止画バナー広告が主流でした。すごく綺麗でスタイルが良いモデルを起用して、ちょっと露出が多めな感じで。しかし、今は「親近感」を抱いてもらえる動画広告のほうが、効果的な場合があるのです。

--「親近感」ですか。何か具体的な事例はありますか?

侯:こちらの動画を御覧ください。

侯:これは男性向けの動画広告ですが、「出会い系」を彷彿させるような“エロさ”を全く打ち出していません。

この動画広告はユーザーに親近感を抱いてもらうために

・同じ趣味を持つ人同士がするようなデートシーンを再現

・「男性目線」で撮影された映像

・実際のカップルがするような会話を再現

・“スタイル抜群のモデルのような子“ではなく”身近に感じられる可愛らしい子“を起用

といったことを意識して制作しました。

--確かに実際のデートでありそうなシーンで、男性はとても「親近感」が湧きますね。

侯:そうなんです。ユーザーは動画を観ながらも「このシーンってリアルにありえるのだろうか」っていう現実感を、自分に投影して考えるんです。まさしく「自分ごと化」ですよね。

実際に「使ってみようかな」という気持ちへと心を動かすためには、「タップル誕生」のコンセプトへの共感はもちろん、動画を観て「自分もこうなりたい」と感じてもらえることが重要なのです。

「インターネット上の出会い」の魅力を伝え、恋に奥手な人の後押しを

--それでは最後の質問になりますが、今後動画広告の制作を通じて目指していきたい未来について、お聞かせください。

侯:インターネットは、「距離が離れている人と出会える」という特徴も面白さの一つです。にもかかわらず、現在は「出会い」と聞くだけで悪いイメージだけが先行してしまっています。

しかし、実際のマッチングサービスは、真剣に恋愛して、真剣に結婚してる人もたくさんいるもの。恋愛に奥手な方の背中を押してあげることができる、有効なツールなんです。その魅力を、動画広告のクリエイティブを通してさまざまな人へ伝えていきたいなと考えています。

合田: これまで静止画バナー広告では、「出会い系だ」と悪いイメージを持たれたままスルーされてしまっていました。しかし、動画広告には「コンセプトが伝わりやすい」というメリットがあります。そんな動画を活用することで「タップル誕生」の楽しさを多くの人に知ってもらえたらと思います。

いつか「インターネット上で男女が出会う」ことが、当たり前の社会になってほしいですね。